北朝鮮でのリゾート開発に触手を伸ばすトランプ大統領

相変わらず空威張りを続ける北朝鮮の金正恩総書記です。内にあっては大規模な水害で被災者が続出し、農業にも深刻な状況が発生しています。被災地を見舞った金正恩氏はテント生活を余儀なくされている子供らに衣服や飲み物を配布し、首都の平壌に大規模な仮設住宅を建設すると約束しました。
外からはアメリカ、韓国、日本等による経済制裁や軍事的な包囲網によって、頼みはウクライナ戦争を続けるロシアのみといった有様。苦肉の策でしょうか、ロシアに武器弾薬や多数の兵士を提供する見返り食料援助を受けているようです。当然でしょうが、国民の間では「1日1食も難しい。何とかしてくれ」と不平不満が鬱積しているとのこと。
局面を打開しようとして、金総書記が打ち出したのが「ハワイを上回るリゾート開発計画」です。ワイキキのビーチをはるかに上回る5キロの海岸を整備し、高級ホテルは当然、水族館、ゲームセンター、劇場、水上公園、美容サロンなども取りそろえ、ロシアや中国からの富裕層を中心に世界中から観光客を呼び込もうという算段と思われます。元山国際空港から近く、ビーチのみならずスキー場にもアクセスが容易と言う触れ込みです。
とはいえ、建設費やスタッフの確保は容易ではありません。そこで金総書記が密かに期待しているのがトランプ大統領に他なりません。これまで3度の首脳会談を繰り返したこともあり、トランプ氏自身も「キムはいい奴だ。見どころがある。俺に熱烈なラブレターを何通も送ってきた」と前向きな反応を見せているからでしょう。
トランプ氏は「世界で最も孤立し、現代の秘境のような北朝鮮には怖いもの見たさの観光客がいるはずだ」と考えているようです。金総書記は後継者かとウワサが飛び交う、お気に入りの娘を連れて、元山の海岸を散策する姿を公開しています。1日平均1万人の海外からの観光客を受け入れる「トランプ・リゾート・タワー」が誕生するのも時間の問題かも知れません。
ロシアのモスクワにてトランプ・ホテルを建設する計画を模索していたトランプ氏でしたが、そちらは頓挫したようです。また、日本の北方領土である択捉島や国後島にもカジノを建設する計画をぶち上げていましたが、最近は口にしなくなっています。果たして、北朝鮮では上手く行くのでしょうか?日本人拉致被害者の救出支援を期待されているトランプ大統領ですが、心は相変わらず「トランプ・ファースト」のようです。