裏側のハナシ

日本の対米投資86兆円の中核にビル・ゲイツ氏が参入

日本政府は2025年7月に合意した5500億ドル(86兆円)の対米投資を巡る投資先案件の絞り込み作業に入っています。

 
トランプ政権下での関税引き下げ交渉(相互15%への修正など)の対価として、日本側が4年間で5500億ドルの投資を約束したものです。

この巨大投資のうち、最大1000億ドルが原子力プロジェクトに充てられる見通しとなっています。

原子力分野における日米の協力は、安全保障(核不拡散)、次世代炉(SMR等)の開発、核燃料サイクル、そしてクリーンエネルギー技術(核融合を含む)の分野で急速に強化されつつあるようです。

主な動向として、日米首脳会談等で合意された、次世代の革新的な原子力発電技術の共同開発や、日本の資金・技術を活用した米国での新型炉建設プロジェクトが挙げられます。

投資実行は特別目的会社を通じて行われます。

具体的には、日本のJBIC(国際協力銀行)やNEXI(日本貿易保険)が出融資・保証を担う見通しです。

当然ですが、貸し付けた資金は返済の義務が生じます。

元本を回収するまでは、投資収益を日米で50対50で折半しますが、償還後は90対10で米国が多くの利益を得る建付けです。

この点を踏まえて、トランプ大統領は「原子力ルネッサンス」を標ぼうする中で、「米国が自由に使える金」と強調し、「90%の利益を米国にもたらす投資になる」と説明しています。

同大統領曰く「日本からの投資は野球選手の契約ボーナスのようなものだ」。

つまるところ、米国内のインフラやサプライチェーンの強化に優先的にあてるというわけです。

とはいえ、日本国内からは「5500億ドルもの巨額資金が米国内のインフラに消え、日本経済の空洞化を招くことになり、不平等条約ではないか。国内の物価高対策や地方振興に回すべき」といった批判も出ています。

確かに、5500億ドルは2024年の日本の国内設備投資額に匹敵する大きさですから。

最も注目されているのが原子力発電分野です。

米国では原子力が「ベースロード電源」として再び脚光を浴び始めています。

日本では「原発の再稼働・建て替え」は政策課題になっていますが、新規案件は乏しいのが現実です。

しかし、日本は世界でも数少ない原子力技術保有国としての評価を得ています。

米国でのプロジェクトに参画することは国内技術の維持と再生に寄与する可能性もあります。

高市早苗首相は、原子力政策を日本の「経済成長」と「エネルギー安全保障」の核心と位置づけ、日米協力に対しても極めて前向きな期待を寄せているようです。

特に2026年3月19日の訪米に向け、日米首脳間での協力案件の目玉に据えようとしています。

そんな中、大富豪のビル・ゲイツ氏がジャパン・マネーを当てにした動きを活発化させているではありませんか。

何かと言えば、ゲイツ氏は自らが設立した高速炉開発のテラパワー社と三菱重工業との間で、ナトリウム冷却高速炉の開発を進めようというのです。

実に強かなゲイツ氏で、本人は1300億ドルの個人資産を誇っているにもかかわらず、日本からの公的投資資金から20億ドルをトランプ政権経由で確保しようとしているのです。

既に人里離れたワイオミング州に土地を確保し、2030年を目標にナトリウム冷却高速炉を建造するとのこと。

要は、例の「エプスタイン文書」で評判を落としたゲイツ氏ですが、汚名返上に動き出したようです。

とはいえ、潤沢な自己資金がありながら、ジャパン・マネーにたかるというやり口は如何なものでしょうか?

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