裏側のハナシ

総選挙が実施されました。

15億人を抱え人口数では世界1となったインドですが、5年に1度の総選挙が実施されました。


広い国土に有権者10億人が散らばるため、投票期間は1か月半に及び、投票所の数は100万か所を優に超えるという世界最大の選挙になったわけです。


そして、73歳のモディ首相は3期目を手にしました。


今回の選挙は政策云々というより、「モディを信じるか、どうか?」が勝敗を決することになったようです。


表向きはモディ首相の率いる人民党が勝利したように見えますが、5年前、そして10年前と比べると、人民党の得票数は大幅に減少しています。


モディ首相の地元でも人民党の有力候補は軒並み落選の憂き目にあっているほどです。


その最大の理由は、モディ政権下で国全体としてはGDPも急成長し、アメリカ、中国に次ぐ、世界第3位の経済大国も視野に入っているようですが、大多数の国民は貧困状態から脱していないことへの不満の拡大が影響しているに違いありません。


モディ首相はヒンズー至上主義で、他の宗教を弾圧するような政策を進めてきました。


はたまたカースト制度も温存され、カーストが違えば、結婚もあり得ない状況が今だに続いています。


鉄道、高速道路、空港などインフラは急速に進化していますが、その恩恵を被っているのは人口の一握りの富裕層に限られている模様です。


今回の総選挙で議会における単独過半数を失った人民党にとっては、経済格差をいかに克服することができるのか、その手腕が改めて問われることになると思われます。


それが国民の納得を得られなければ、モディ首相といえども3期目の途中でお役御免という不名誉な末路を迎えることになりかねません。


親日国のインドの行く末が大いに気になるところです。

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