裏側のハナシ

プリゴジン茶番劇で面子丸つぶれのバイデン大統領

ロシアの民間軍事会社「ワグネル」のプリゴジン社長(62歳)が号令を発した「正義の行進」は見事な失敗に終わりました。


アメリカの主要メディアをはじめウクライナのゼレンスキー大統領も「これはプーチン大統領の終わりの始まりだ」と、ソ連崩壊に匹敵するかのような「内戦の勃発」への期待を膨らませたものです。


日本でも有名な「ユーラシア・グループ」のイアン・ブレマー代表も「ワグネルはウクライナにおける戦闘より早いスピードでロシアを占領している」と指摘し、「プーチンは終わった」とまで宣言。


ツイッター上で100万人を超えるフォロワーを従えるブレマー氏ですが、その予測は簡単に覆されてしまいました。


アメリカ政府は裏でプリゴジン社長を操っていたせいでしょうが、「プーチン政権は崩壊するだろう」と盛んに騒ぎ立てていたものです。


ブレマー氏もそうしたプーチン崩壊説に惑わされたのでしょうが、「これはヤバい!」と思ったのか、「戦争ドラマを見続けるには欠かせないポップコーンが品切れになったようだ」と冗談めかしたコメントでお茶を濁すばかり。


何しろ、プリゴジン社長の呼びかけにもかかわらず、モスクワ進軍に加わったのは数千人に満たない戦闘員で、ワグネルの軍事司令官は皆無でした。


要は、ワグネルの戦闘員たちのプリゴジン社長への信頼は相当揺らいでいたのです。


それもそのはず。


自身も若い頃、詐欺罪で10年の刑務所暮らしを経ているプリゴジン氏です。


「プーチンの料理人」と呼ばれるまでに飲食業で成功したことは間違いありませんが、プーチン大統領が展開する海外での戦争に参加する兵士を刑務所からかき集めていました。


その時の口説き文句は「半年間、死んだつもりで前線に出て働けば、無罪放免させる」というもの。


そうやって集めた2万5000人ほどの戦闘員ですが、高給優遇とは言うものの、現実には極悪な条件下で死者や負傷者が続出。


その一方で、プリゴジン社長本人は巨万の富を蓄積し、プライベートジェットに飛び乗り、東欧、中東、アフリカに遠征を重ねていました。


しかも、彼の稼ぎぶりはプーチンも頭が上がらないほどだったようです。


実は、プリゴジン社長はサンクトペテルブルクにある洋上レストランで、プーチン大統領が招いた外国の賓客をもてなすだけではなく、インターネットのリサーチ会社も立ち上げていました。


2016年のアメリカの大統領選挙に介入し、トランプ大統領誕生につながるようなネット上の工作にも暗躍したと自慢しているほどです。


同様の手口でロシア軍の機密情報をウクライナ軍に横流しし、アメリカ政府からも機密費を分捕っていたと言われています。


その分け前が得られなかったため、ワグネルの側近たちの間でも、プリゴジン社長への不信感が広がっていたに違いありません。


最後の頼みにしていたプーチン大統領からも見放され、裏で手を結んでいたとされるロシア軍のスロビキン副司令官も拘束されてしまいました。


その上、サンクトペテルブルクにあるワグネル本社に隠していた大量の現金もロシア治安当局(FSB)に捕捉されてしまったようです。


結果的には、プーチン大統領が軍部とワグネル以外の民間軍事会社を再統合することになり、これまで以上に強力な権力基盤を手中に収めることになりました。


こうした想定外の事態に戸惑ったバイデン大統領は記者団の質問に対して「プーチンはイラク戦争で敗北しつつある。NATOが勝利している。日本もそうだ」と、意味不明の発言を重ねています。


ワグネルも崩壊し始めているようですが、バイデン大統領の頭もおかしくなってきていることは否めません。


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