裏側のハナシ

“ケネディ神話”は健在か?米大統領選への出馬を決めたロバート・ケネディ・ジュニアの勝算

安倍神話がぐらついている日本ですが、アメリカでは分断と混乱が続いています。それを象徴するように、現職のバイデン大統領は意味不明の発言が多くなり、先のウクライナへの突然の訪問の際にも、ゼレンスキー大統領よりオレナ夫人とばかり急接近していたため、ひんしゅくを買っていました。


しかも、80歳と高齢であり、アルツハイマー型認知症との噂が絶えません。けれども、党内には強力な対抗馬も見当たらず、対する共和党もトランプ前大統領が早々に再選キャンペーンを始めましたが、以前のような盛り上がりはないようです。


そのため、バイデン大統領自身は「大丈夫だ。史上最高齢の大統領の記録を更新できる」と高を括っているように見えます。しかし、「次の大統領はトランプかも」と、うっかり口を滑らす有様で、周囲は気が気でないようです。


そこに、突然、名乗りを上げたのがケネディ一族のロバート・ケネディ・ジュニアです。環境弁護士として活動しながら、自らが立ち上げた非営利の環境団体の会長でもあります。妻である女優シェリル・ハインズから「支持を取り付けた」と喜びの記者会見を行いました。


果たして、「ケネディ神話」の復活となるのでしょうか?いまだにアメリカの政治においては、ケネディ家の名前が輝いていることは間違いありません。今回、立候補の意向を示したロバート・ケネディ・ジュニアは故ケネディ大統領の甥にあたり、故ロバート・ケネディ上院議員の息子です。


確かに華麗なる政治家一族の一員であり、ハリウッドの有名な女優である妻から「出馬にゴーサインをもらった」というので、民主党内には激震が走りました。とはいえ、先行きは容易ではなさそうです。


というのも、ケネディ・ジュニアは「奥さんの尻に敷かれっぱなし」だからです。彼を有名にしたのは「コロナワクチン反対運動」の急先鋒として、「ワクチン接種は個人の自由な判断に委ねるべきで、政府が強制すべきではない」との論陣でしょう。


その時、首都ワシントンで開催された「ワクチン反対集会」で演説し、「政府がワクチン接種を強制しようとしており、我々はナチスの迫害から逃れようとしたアンネ・フランクより厳しい環境に置かれている」と述べました。


この発言には各方面から批判が殺到。妻からも「夫のことを愛しているが、アンネ・フランクを引き合いに出すのは如何なものか」と、突き放されてしまい、結局、謝罪することに。その上、カリフォルニアの自宅で催したホームパーティの案内状には「ワクチン接種とPCR検査の事前陰性証明をお願いします」との文面が記載されていたことが公に。


本人は「妻が仕切っていたので、知らなかった」と、ここでも見苦しい言い訳に終始。こんなことから、一国の最高指導者には向いていないように思えてしまいます。要は、ケネディ神話にも陰りが見えるというのが、アメリカの実態です。

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