書評紹介

評論家・宮崎正弘氏による、新著「世界のトップを操る“ディープレディ”たち」の書評をご紹介させて頂きます。

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古今東西、英雄は色を好み、烈女は全知全能を傾けて男を繰る世界のファーストレディのなか、誰が「あげまん」で誰が「さげまん」か。

浜田和幸『世界のトップを繰る「ディープレディ」たち』(ワック)

「二十四の瞳」という映画があった。いまの国際政治のキーナンバーは「24」である。
それって何? トランプ夫人のメラニアとジョンソン英首相夫人の年齢差は24,仏大統領の年上の女房は24歳上。

かつてウォール街によく通っていた評者(宮崎)は『ウォール街 凄腕の男たち』という本まで書いて、T・ブーン・ピケンズ等を取材し、主としてファンドの仕掛け人らの思想と行動を追った。けれども裏にある女性達まで取材する余力はなくキッチン・ストーリーは描けなかった。ピケンズは小糸製作所の筆頭株主に突如躍りでて、日本のメディアは「黒船、来る」と大騒ぎだった。

ゴシップとフェイク情報が乱れ飛ぶ世界。各国トップの家庭の事情。なかなか真相に近づけることはないが、本書は「世界の凄腕のおんな達の思想と行動」を追跡した珍しい読物である。

古今東西、「英雄は色を好み」、「烈女は全知全能を傾けて男を繰る」のだが、現代世界であまたあるファーストレディのなか、誰が「あげまん」で誰が「さげまん」か。

浜田氏は「あげまん」の代表としてバイデン夫人とマクロン夫人を挙げる。惚け老人に助け船を出し、常に大統領である夫に発破をかけ続けるジル夫人は東京五輪でもバイデンをホワイトハウスに残して単身来日し、アメリカは日本の力強い味方だと演出して見せた。

マクロン仏大統領は年上の熟女に頭が上がらない。

ならば「さげまん」の代表は誰かと言えば、指摘するまでもないがヒラリー・クリントンだろう。と思いきや、本書では英首相ジョンソン夫人のキャリーがいまでは「キャリー・アントワネット」と呼ばれるほどの悪女だそうな。

さてさてそうなると、トランプ前大統領夫人のメラニアは、どちらか?

メラニアはスロベニアから野心を抱いて米国へ渡りファッションモデル。全裸ヌードも厭わない美女だが、トランプをいかにして射止めたか、微に入り細を穿ち、その鮮やかな手法と仕掛けを描いた。

大統領就任から半年のあいだ、メラニア夫人はNYのトランプタワーを動かなかった。息子のバロンをメイドに頼らず、自分の手で育てるためだった。だからバロン君はスロベニア語もペラペラ喋る。すくすくと背が伸びてトランプより高くなった。

メラニアがイバンカ夫妻を嫌っている理由は何か。いろいろとゴシップやタブロイド判の情報は知っていたが、これらのフェイク度合いをチェックしながら、本書は時系列に体系的に烈女の行動の軌跡を追いかける。メラニア夫人は浅薄なミーハーではなく、したたかな、計算高い女性であるという実像が浮かんでくる。

ほかに登場人物は世界一の金持ちとなったテスラのイーロン・マスク、アマゾンの創業者ベゾスら世界のビリオネアの女性遍歴と、その女性観をつぶさに書き込んでいる。

ベゾスは糟糠の妻マッケンジーと離別した。反トランプのワシントンポスト紙を買収したので「アマゾンポスト」となった。

テスラのイーロン・マスクは二回離婚しているが、日本のアニメファン、とくにもののけ姫に凝っているというが、それがビジネスといかに繋がったのか、興味尽きないゴシップが並ぶ。

意外や意外な「色を好む英雄」はビル・ゲーツの奇譚である。

ゲーツは史上空前の離婚訴訟で、前夫人と別れた背景に、とてつもないスキャンダルがあった。ゲーツが全米一の農地所有者であり、よく来日して軽井沢の別荘へ行き、和食ファンでもあることは知られるが、フェイクニュースならぬフェイクフーズを作ろうとして種子を集めているのだろうか?

女性スキャンダルを封じ込めたのはゲーツのカネの魔力だが、何故、そしていかなる謎があったかは本書でお楽しみあれ!



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